
株式会社ACCESSといえば日本のベンチャー企業の代表的存在だ。
現在IoT事業に注力し、ビジネスを展開しているシステム開発企業だ。
この記事では株式会社ACCESSの財務データをもとに企業研究を行う。
目次
【転職・就職のための企業研究】株式会社ACCESSが3ステップでわかる
株式会社ACCESS (以下: ACCESS)はIoT事業に力を入れているシステム開発企業だ。
特にセンサー向けソフトなどの組み込み開発に注力している。
展開している事業は上図の通りだ。
【Step 1】損益計算書からACCESSの収益性をみる
損益計算書の数字からACCESSの収益性を見てみよう。
売上高、売上総利益、営業利益は伸び悩んでいる。
営業利益は一時期赤字だったが、現在は黒字化した。
前年比成長率は上図の通りだ。
2019年1月期の成長率は良い。
2019年1月期の売上総利益率は45.38%。
ビジネスとして非常に素晴らしい数字だ。
2019年1月期の売上高営業利益率は6.56%。
悪くはない数字だが、やや物足りない。
販売費および一般管理費のうち多くを占めるのは給料及び手当だ。
【Step 2】貸借対照表からACCESSの安全性をみる
次は貸借対照表の数字から安全性を見ていく。
直近の株主資本比率は94.8%。
一般的に30%から40%が望ましい水準だ。
したがってACCESSの株主資本比率の非常に安全な水準だ。
ACCESSは金融機関からほぼ借入を行っていない。
直近の固定長期適合率は16.90%。
固定長期適合率は100%以下が望ましいと言われる。
したがって固定長期適合率も非常に安全な水準だ。
ACCESSは固定資産をほぼ所有していない身軽な企業体質だ。
直近の流動比率は2037.75%だ。
流動比率は100%以上が望ましい水準だ。
したがって流動比率も非常に安全な水準だ。
ACCESSは圧倒的にキャッシュを所持している。
ここまでキャッシュが豊富だと、資金運用効率が悪いとみられる可能性もある。
他方で、キャッシュが豊富であることで、様々な領域でチャレンジが可能だ。
【Step 3】キャッシュフロー計算書からACCESSのお金事情をみる
直近のキャッシュ・フロー(以下: CF)の数値を見てみよう。
営業活動によるCFはプラス、投資活動によるCFは大きなマイナス、財務活動によるCFはマイナスだ。
フリーCFは大きなマイナスだ。
投資活動に非常に積極的である。
CFは健全ではないが、キャッシュが豊富であるからできる技だ。
この投資を、将来の事業として成長されることが当面の課題だ。
まとめ
ACCESSはベンチャースピリットを保ち続けている企業だ。
稼ぐ力はあまり強くない。
他方で、企業の安全性は非常に高い。
CFは健全ではないが、資金力が強いおかげで積極的に投資を行える状態だ。
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この記事を機に読者の皆様自身の視点を得られたら幸いだ。
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本記事で使った資料
株式会社ACCESS 2019 年1月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
株式会社ACCESS 平成30 年1月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
株式会社ACCESS 平成29 年1月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
株式会社ACCESS 平成28 年1月期 決算短信〔日本基準〕(連結)