
システムインテグレーターの富士ソフト株式会社。
富士通となんらかの関係があるのかと思いきや何の関係もないらしい。
この企業研究レポートでは、富士ソフト株式会社の以下の4点を調べる。
- どんなお仕事をしているのか【事業の紹介をする】
- そのお仕事は儲かるのか【財務データをもとに収益性、成長性、安全性、効率性をみる】
- 従業員の給料はどのような水準なのか【平均勤続年数と平均年収の推移をみる】
- 今後どのような方向性でお仕事していくのかを調べる【決算説明会資料から今後の展望をみる】
本エントリでは、このうちの1. 「富士ソフトはどんなお仕事をしているのか」を明らかにする。
転職を考えている若手サラリーマンや新卒入社を考えている学生様の参考になれば幸いだ。
目次
【4つのステップでわかる企業研究】富士ソフト株式会社
ではさっそく、富士ソフト株式会社(以下: 富士ソフト)のお仕事を見てみよう。
富士ソフトの企業Webサイトの事業紹介ページを見ると、企業のコアコンピタンスと4つのキーワードが書かれてある。
【コアコンピタンス:】
「技術力+提案力」
【4つのキーワード】
業務系ソリューション
組込/制御テクノロジー
プロダクト・サービス&アウトソーシング
グローバル
「技術力+提案力」について、Webサイトの文章を読む限りだと、要するに次の通りだ。
「私たちはITシステムを作れるよ。かつ、ITシステムについて非常に良く知っているから君たちに超詳しく教えてあげることができるよ。これが私たちの一番の強みだよ。」
ちなみに、コアコンピタンスとは日本語だと競争優位性と訳されたりする。
これは競争戦略論という学問で出てくる概念だ。
詳しく知りたい方はマイケル・ポーター教授の「競争の戦略」を読むことをおススメする。
さて、富士ソフトはITシステムのプロフェッショナルだとわかったが、どんなシステムが作れるのかと疑問に思うだろう。
「どんなシステム?」を紹介しているが4つのキーワードだ。
【企業研究ステップ1】どんなお仕事をしているのか【事業の紹介をする】
大変申し訳ないが、4つのキーワードは正直わかりにくかったので、まずは富士ソフトのセグメント情報を確認する。
2018年12月期の決算短信によると富士ソフトの報告セグメントは以下の2つだ。
- SI(システムインテグレーション)事業
- ファシリティ事業
- その他事業
SI事業は、「機械制御系、自動車関連等に関する組込系/制御系ソフトウェア開発、各業種で使用する業務系ソフトウェア開発、プロダクト・サービス及びシステムの構築・保守・運用サービス等全般」を行っている。
SI事業はさらにシステム構築とプラダクト・サービスの2つに分けられる。
システム構築は、組込系/制御系ソフトウェアと業務系ソフトウェアの2つに分けられる。
プロダクト・サービスは、プロダクト・サービスとアウトソーシングの2つに分けられる。
ファシリティ事業は、富士ソフト及び一部の連結子会社が「所有しているオフィスビルの賃貸」を行っている。
その他事業は、データエントリー事業やコンタクトセンター事業が含まれる。
それではいよいよ4つのキーワードを見ていく。
業務系ソリューション
流通業、金融業、サービス業、製造業、ネットビジネス、社会インフラ、教育、文教、医療、公共機関など、あらゆるニーズに、「お客様にとってのベストは何か」を徹底的に追求し、コンサルティング、開発、システム構築からサポートまで充実した体制でトータルソリューションをご提供いたします。
要するに業務系ソリューションとはシステム構築、運用、サポートを一つにして提供することだ。
なお富士ソフトでは2019年6月24日現在で下記のソリューションを提供している。
- モバイルソリューション
- 教育ソリューション
- クラウドインテグレーション
- 映像配信ソリューション
- セキュリティソリューション
- AIソリューション
- 働き方改革ソリューション
- デジタルリビングソリューション
- 知能化技術ソリューション
- ネットビジネスソリューション
- リテールソリューション
- その他のソリューション
顧客企業の業種は下記の通りだ。
もし仮に富士ソフトで働くことになったら、幅広い業種のシステムに携わる機会があると考えられる。
- 金融業
- 物流業・流通業
- 製造業
- サービス業
- 建設業
- 医療・介護業
- 文教 官公庁
Webサイトでは導入事例の紹介もある。
企業で働く姿をイメージしやすくするため見てみるのも良いだろう。
組込/制御テクノロジー
皆様のお手元に必ずと言ってよいほどある携帯電話をはじめ、ユビキタス社会の核となる情報家電製品の多くに、富士ソフトの最先端技術が活かされています。幅広い領域で豊富な開発実績を持つ高い技術がお客様を強力にサポートいたします。 新たな価値あるモノづくりに最新の組込/制御系テクノロジーをご提供いたします。
要するにIoTデバイスの開発に必要なテクノロジーを持っているということだ。
ちなみにユビキタス社会とは、いつでも、どこでも、なんでも、誰でもインターネットにつながっている社会のことだ。
コンピュータサイエンスという学問で提示された概念だ。
IoTについて知りたい方はまずはググることをおススメする。
もっと知りたいという方はアマゾンで書籍を検索すると良いだろう。
筆者のオススメ本は「インダストリー4.0」と「メイカーズ」だ。
「インダストリー4.0」はかなり2015年に出版された書籍だがIoTの動向を知るにはちょうど良い入門書だ。
本書で描かれているIoTの姿と現在の状況を見比べると新しい発見が見つかるかもしれない。
メイカーズはどちらかというとIoTではなく3Dプリンタで誰でもモノづくりができるという話だが、IoTの根底にある思想を感じるため一読をおススメする。
富士ソフトの組込/制御テクノロジーをもっと知りたいという方は、富士ソフトの組み込み開発サイト「FSI Embedded」を読み込むことをおススメする。
プロダクト・サービス&アウトソーシング
富士ソフトがもつ、組み込み/制御系・業務系ノウハウが、今までにない付加価値を生み出すことで、新しいビジネスチャンスを創造します。ネットワーク時代に不可欠な、先進ソフトウェア・ハードウェアの提供をはじめ、スマートフォン・タブレット・最新ロボットテクノロジー、スマートハウス、デジタル家電など、付加価値の高いプロダクトをご提供いたします。
SI事業で培ったノウハウを生かしたプロダクトを開発し提供している。
特に、ペーパーレスシステムの「moreNOTE」は導入先が多数あり好評とみられる。
その他にコミュニケーションロボットの「palro」やデータセンター運営を展開している。
グローバル
富士ソフトの特徴の1つとして拠点の多さが挙げられる。
国内、国外ともに多くの拠点を有している。
これらの拠点間で連携し顧客企業のニーズに応えることが強みの1つと言っている。
まとめ
本エントリでは「富士ソフトはどんなお仕事をしているのか」について明らかにした。
次回は「そのお仕事は儲かるのか」という疑問を明らかにする。
具体的には、富士ソフトの財務データをもとに収益性、成長性、安全性、効率性をみる。