
株式会社オプティムはIoT分野の新興企業だ。
この記事では株式会社オプティムの財務データをもとに企業研究を行う。
目次
【3 steps 企業研究】5分でわかる株式会社オプティム
株式会社オプティム(以下: オプティム)はモバイルデバイス一括管理システムが主サービスの企業だ。
展開している事業は上図の通りだ。
【Step 1】損益計算書からオプティムの収益性をみる
損益計算書の数字からオプティムの収益性を見てみよう。
売上高と売上総利益は好調に伸びている。
営業利益は2017年3月期をピークに下降傾向だ。
前年比成長率は上図の通りだ。
売上高の成長率からは力強さを感じる。
営業利益成長率は厳しい数字だ。
2019年3月期の売上総利益率は64.06%。
ビジネスとして魅力的な水準だ。
しかし近年の売上総利益率の推移は下降傾向だ。
売上原価明細書をみると外注費の増加が要因だ。
2019年3月期の売上高営業利益率は1.76%。
売上高営業利益率の低迷が激しい。
低迷の要因は、広告宣伝費の増加なのか人件費の増加なのかはわからない。
しかしB to Bビジネスであることを考えると広告宣伝費の増加ではないと予測できる。
したがって新規販売先開拓のための人件費の増加が売上高営業利益率の低迷の要因だ。
【Step 2】貸借対照表からオプティムの安全性をみる
次は貸借対照表の数字から安全性を見ていく。
直近の株主資本比率は76.70%。
一般的に30%から40%が望ましい水準だ。
したがってオプティムの株主資本比率の安全水準だ。
直近の固定長期適合率は43.78%。
固定長期適合率は100%以下が望ましいと言われる。
したがってオプティムの固定長期適合率は安全水準だ。
しかし同数値は近年上昇傾向にある。良い傾向ではない。
直近の流動比率は293.52%だ。
流動比率は100%以上が望ましい水準だ。
したがって流動比率も安全水準といえる。
【Step 3】キャッシュフロー計算書からオプティムのお金事情をみる
直近のキャッシュ・フロー(以下: CF)の数値を見てみよう。
営業活動によるCFはマイナス、投資活動によるCFはマイナス、財務活動によるCFはマイナスだ。
フリーCFはマイナスだ。
酷いCFだ。
営業CFが2期連続でマイナスだ。つまりビジネスとして成立していない。
早急な構造的改善が必要だ。
他方で投資には積極的だ。資金には余裕があるからできるのだろう。
まとめ
オプティムはビジネスの構造に課題がある。
売上高営業利益率からわかるように事業としては非常に魅力的だ。
しかし営業利益率と営業CFからわかるようにビジネスとして成立していない。
企業としての安全性は高いため、現在は積極的な投資を行っている。
投資案件を稼ぎに主軸事業に成長させることが最重要課題である。
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この記事を機に読者の皆様自身の視点を得られたら幸いだ。
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本記事で使った資料
株式会社オプティム 2019 年3月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)
株式会社オプティム 平成30 年3月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)
株式会社オプティム 平成29 年3月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)
株式会社オプティム 平成28 年3月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)