
日本オラクル株式会社は米国オラクル・コーポレーションの日本法人だ。
日本国内を拠点に情報システム構築のための事業を展開している。
この記事では日本オラクル株式会社の財務データをもとに企業研究を行う。
目次
【3 steps 企業研究】5分でわかる日本オラクル株式会社
日本オラクル株式会社(以下: 日本オラクル)は米国オラクル・コーポレーションの日本法人だ。
日本国内を拠点に情報システム構築のためのソフトウェア・ハードウェア製品、ソリューション、コンサルティング、サポートサービス、教育の事業を展開している。
展開している事業は上図の通りだ。
【Step 1】損益計算書から日本オラクルの収益性をみる
損益計算書の数字から日本オラクルの収益性を見てみよう。
2018年5月期までの売上高、売上総利益、営業利益はすべて順調に伸びている。
2018年5月期までの前年比成長率は上図の通りだ。
堅調な成長力が示されている。
2019年5月期第3四半期の売上総利益率は47.40%。
非常に魅力的な事業だ。
2019年5月期第3四半期の売上高営業利益率は30.35%。
素晴らしく儲かるビジネスだ。
日本オラクルの稼ぐ力は強い。
【Step 2】貸借対照表から日本オラクルの安全性をみる
次は貸借対照表の数字から安全性を見ていく。
2019年5月期第3四半期の株主資本比率は64.69%。
一般的に30%から40%が望ましい水準だ。
したがって日本オラクルの株主資本比率の安全水準だ。
2019年5月期第3四半期の流動比率は62.56%だ。
流動比率は100%以上が望ましい水準だ。
したがって流動比率は危険水準といえる。
2018年5月期の流動比率は183.00%であったが、急激に悪化している。
内訳をみたところ、原因は現金及び預金の急激な減少によるものだ。
では減った現金及び預金はどこに行ったのだろうか。
答えは固定長期適合率にある。
2019年5月期第3四半期の固定長期適合率は120.53%だ。
固定長期適合率は100%以下が望ましいと言われる。
したがって固定長期適合率も危険水準といえる。
内訳を見てみよう。
投資その他の資産の関係会社長期貸付金が1,300億円増えている。
したがって2019年5月期第3四半期における日本オラクルの安全性指標の悪化は関係会社への融資が原因である。
【Step 3】キャッシュフロー計算書から日本オラクルのお金事情をみる
2019年5月期第2四半期のキャッシュ・フロー(以下: CF)の数値を見てみよう。
営業活動によるCFはプラス、投資活動によるCFはマイナス、財務活動によるCFはマイナスだ。
フリーCFはプラスだ。
決していきれいなCFではないがフリーCFはプラスに推移している。
ここ2年は投資キャッシュフローがプラスで推移している。
貸付金の回収が主要因だ。
関係会社への貸付金の調整を行っていると考えられる。
営業活動によるCFは安定している。
ごちゃついている割には面白みがないCFだ。
まとめ
日本オラクルの稼ぐ力は強い。
直近の2019年5月期第3四半期の安全性指標は悪い数値だ。
貸付先企業の経営状況によっては危険であるともいえる。
ただ毎期安定的に営業活動によってキャッシュが入ってくるので、大胆な貸付ができるのだろう。
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各指標の意味を知りたい人はこの記事をチェックしてほしい。
この記事を機に読者の皆様自身の視点を得られたら幸いだ。
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本記事で使った資料
日本オラクル株式会社 2019年5月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)
日本オラクル株式会社 平成30年5月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)
日本オラクル株式会社 平成29年5月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)
日本オラクル株式会社 平成28年5月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)
日本オラクル株式会社 平成27年5月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)