
ソースネクスト株式会社はソフト・アプリケーションの開発・販売を行う企業だ。
この記事ではソースネクスト株式会社の財務データをもとに企業研究を行う。
目次
【4 steps 企業研究】5分でわかるソースネクスト株式会社
ソースネクスト株式会社 (以下: ソースネクスト)はPCソフト開発・販売、スマートフォンアプリの開発・販売を手掛ける企業だ。
【Step 1】損益計算書からソースネクストの収益性をみる
損益計算書の数字からソースネクストの収益性を見てみよう。
売上高、売上総利益は増加傾向だ。
営業利益、事業利益は、横ばいからの減少傾向にある。
成長率は上図の通りだ。
売上高は力強く成長している。
一方、営業利益率は絶不調だ。
ソースネクストの収益性指標
2019年3月期の売上総利益率は61.88%だ。
2015年3月期には73.20%だったが、ここ5年で10%強低下している。
2019年3月期の売上高営業利益率は5.84%だ。
2015年3月期には21.40%あった売上高営業利益率だが、ここ5年で大幅に低下している。
企業内部あるいはビジネスモデルに何らかの問題が発生している。
【Step 2】貸借対照表からソースネクストの安全性をみる
株主資本は増加傾向だ。
貸借対照表の数字からソースネクストの安全性を見てみよう。
ソースネクストの安全性指標
直近の自己資本比率は68.03%。
望ましいとされる理論値は30%から40%だ。
したがって、ソースネクストの自己資本比率は望ましい水準だ。
直近の流動比率は320.11%。
望ましいとされる理論値は100%以上だ。
したがって、ソースネクストの流動比率は望ましい水準だ。
直近の当座比率は25.41%。
優良とされる理論値は120%以上だ。
したがって、ソースネクストの当座比率は優良水準だ。
直近の固定長期適合率は36.45%。
望ましいとされる理論値は100%以下だ。
したがって、ソースネクストの固定長期適合率は安全水準だ。
【Step 3】損益計算書と貸借対照表からソースネクストの事業効率性をみる
損益計算書と貸借対照表の数字からソースネクストの事業効率性を見てみよう。
ソースネクストの効率性指標
2019年3月期のROAは5.24%だ。
2015年3月期には26.14%あったROAが、ここ5年で大きく低下している。
これは控え目に言っても緊急事態だ。
ROAの内訳である売上高事業利益率と総資本回転率は上図の通りだ。
2019年3月期の売上高事業利益率は6.20%。
2019年3月期の総資本回転率は84.55%だ。
両指標とも低下傾向にある。
ROAの低下理由は、収益性と資産効率性の両方の悪化によるものだ。
収益性と資産効率性のどちらも悪化しているとなるとなかなか厄介な状況だ。
収益性と資産効率性のどちらを先に改善するかによって今後の道筋が大きく違ってくるだろう。
※ROA=売上高事業利益率*総資本回転率
※事業利益=営業利益+営業外収益
【Step 4】キャッシュフロー計算書からソースネクストのお金事情をみる
ソースネクストのキャッシュフロー
2019年3月期のキャッシュ・フロー(以下: CF)の数値を見てみよう。
営業活動によるCFはプラス、投資活動によるCFはマイナス、財務活動によるCFはマイナスだ。
フリーCFはプラスだ。
直近のCFは健全な状態だ。
ソースネクストのCF推移を見ると2018年3月期を除き、おおむね良好な状態だ。
営業活動によるCFが、投資活動によるCFを大幅に上回っている。
【4 steps 企業研究】まとめ
ソースネクストはビジネスモデルまたは企業内部の活動に何らかの問題を抱えている。
稼ぐ力は低下し、資産効率性も悪化している。
一方、安全性指標はおおむね安全水準にある。
事業の見直しが緊急課題だ。
もっと調べたい読者様向け
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本記事で使った資料
ソースネクスト株式会社 2019年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)
ソースネクスト株式会社 2018年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)
ソースネクスト株式会社 平成29年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
ソースネクスト株式会社 平成28年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)