
ユニゾホールディングス( 以下, ユニゾHD )の 2019年3月期 当期純利益 が前期比40.2%増の理由を調べてみた。
ちなみに、ユニゾHDは不動産事業とホテル事業を営む企業。
- 従業員数は91人
- 平均年齢39歳5ヶ月
- 平均勤続年数4年
- 平均年間給与約743万円
有価証券報告書の説明
キャピタルリサイクリングに伴い、不動産(国内)16物件、不動産(海外)4物件、ホテル2物件を売却したことによる固定資産売却損益を計上したこと等もあり、親会社株主に帰属する当期純利益は11,903百万円(同8,488百万円 同40.2%増)となりました。
ユニゾHDの不動産事業の特徴は、キャピタルリサイクリング。
キャピタルリサイクリングとは、固定資産を売買すること。
ユニゾHDでいうと、保有している物件や土地を売ったり買ったりすること。
金融商品の取引と似ている。
優良物件・優良土地を安いとき仕入れて、施設を建てて運用し、値上がりしたところで売却すれば、キャピタルゲインとインカムゲインを得られるモデル。
今回は土地の売却で特別利益を計上している。
P/Lで確かめてみる
各利益率の増減をみる限り、確かに特別利益の計上によって、当期純利益が増えたことが確認できる。
また、物件・土地を売却したせいなのか、当期純利益率を除くすべての利益率が前年比で低下している。
ユニゾHDの今後の事業展開は大丈夫なのか?
ユニゾHDの事業計画
ユニゾHDは「STRONGER FOOTHOLD 2021 ~ 経営体質の強化」で3ヵ年計画を発表している。
概要は以下の通り。
- リスク耐性及び収益性の高い資産ポートフォリオ構築
- 持続的な収益改善
- NOI利回り+1%超改善
*NOI利回り = 償却費前営業利益 ÷ 加重平均事業用不動産簿価 - 自己資本比率20%超維持
2019年度(2020年3月期)は保有物件・土地ポートフォリオを縮小するようだ。
確かに、国土交通省が公表している不動産価格指数(商業用不動産)の推移をみると、不動産ポートフォリオ縮小は理にかなっていると思われる。
結論
ユニゾHD 2019/3月期当期純利益 YoY+40.2%の理由は、土地売却による特別利益の計上によるもの。
保有物件・土地が減ることは将来の業績に影響がでる可能性がある。
ただ、中期経営計画の説明では、2019年度の業績低迷は計画内とのこと。
さらに、国土交通省が公表している不動産価格指数(商業用不動産)の推移をみると、現段階での売却は理に適っていると思われる。