金融・投資・証券分析用語辞典

運用指図

運用指図 (investment instruction)とは、確定拠出年金において、加入者が個人別管理資産について行う運用の指図を指す語として使われます。

確定拠出年金法では、確定拠出年金は、個人または事業主が拠出した資金を個人が自己の責任で運用の指図を行い、高齢期においてその結果に基づいた給付を受けるものと位置付けられています。

運用指図を行う人には、

  • 加入者
  • 老齢給付金を受給中の人

が含まれます。

加入者は、事業主あるいは外部の金融機関の投資教育や、運営管理機関から提供される運用情報などを受けて、運営管理機関が提示する運用方法の中から1つまたは複数の者を選択し、それぞれに充てる金額を決定して、運営管理機関に指図します。

確定拠出年金法では、運用指図は、少なくとも3ヵ月に1回は行い得るものでなければならないとされています。

運営管理機関

運営管理機関 (DC administrator, DC provider)とは、確定拠出法年金法に定める運営管理業務を営む銀行その他の法人です。

運営管理業務を営むには、主務大臣への登録が必要です。

ここでいう主務大臣とは、厚生労働大臣および内閣総理大臣です。

企業型の確定拠出年金を実施しようとする事業主は、運営管理業務の全部または一部を運営管理機関に委託することができます。

運営管理業務は、記録関連業務と運用関連業務から成ります。

記録管理業務とは、

  • 加入者情報の記録
  • 運用指図の取りまとめ
  • 給付の裁定

などです。

運用関連業務とは、

  • 運用方法の選定
  • 運用情報の提供

などです。

買い建玉

買い建玉 (long account)とは、信用取引、先物、オプション取引、外為取引などで、買い付けはしているものの、決済が済んでいない取引、または残高のことです。

買い玉とも呼ばれます。

未決済の残高という意味では、買い残と同じことを表します。

例えば、先物取引で、100枚の買い注文を出して約定が成立した場合、後から決済のための100枚の売り約定が成立して残高が無くなる。

この100枚の売り約定が成立するまでは、買い建玉が残っていると言います。

この買い建玉が残っている間は、市場価格の変動により損益が発生します。

市場価格が低下して損が拡大すると、場合によっては買付け時に納めた証拠金では足りずに、追加証拠金を要求されることがあります。

関連用語

売り建玉

売り建玉 (short account)とは、信用取引、先物、オプション取引、外為取引などで、売り付けはしているものの、決済が済んでいない取引、または残高のことです。

売り玉とも呼ばれます。

例えば、先物取引で、200枚の売り注文を出して約定が成立した場合、この200枚の買い約定が成立するまでは、売り建玉が残っていると言います。

この売り建玉が残っている間は、市場価格の変動により損益が発生します。

市場価格が上昇して損が拡大すると、場合によっては売り付け時に納めた証拠金では足りずに、追加証拠金を要求されることがあります。

関連用語

受渡適格銘柄

受渡適格銘柄 (deliverable issue)とは、国債先物取引において、現渡しで決済を行う際に、売り方から買い方へ引き渡すことができる銘柄のことです。

債券先物取引では、標準物と呼ばれる架空債券が取引対象となるため、受渡決済では標準物に相当する現物債券が定められています。

長期国債先物取引においては、受渡決済期日に残存期間が7年以上の10年利付国債で、発行日の属する月が、受渡決済期日の属する月の3か月前以前のものが受渡適格銘柄となります。

なお、標準物と受渡適格銘柄では、利率、残存期間が異なるのが普通で、それを調整する目的でコンバージョンファクターという交換比率が用いられます。

現物債の価格から先物価格にコンバージョンファクターを乗じた値を減ずることで、受渡決済期日までのコスト等控除前の価格差が算定されます。

なお、コンバージョンファクターは各限月取引ごとに東証が発表しています。

コンバージョンファクター

コンバージョンファクター (conversion factor)とは、債券先物取引において、売り方が決済時に現渡しを選択した場合に、受渡す現物債の数量を算出するための係数です。

日本語で、交換比率と呼びます。

具体的にいうと…

先物取引で売り建てた場合、決済方法として、

  • 反対売買: 売り建てた数量を買戻して決済する方法
  • 現渡し: 売り建てた数量に該当する現物を差し入れて決済する方法

の2つがあります。

債券先物取引で取引されるのは、長期国債先物ではクーポン6%、残存期間10年の架空の債券です。

したがって、現渡しでの決済をする場合、同じ条件の現物債を現渡しできる可能性は非常に低いです。

そのため現渡しをする場合、売り建てた債券先物の決済時の価値と現渡しする現物債の価値を同等にする作業が必要になります。

この作業のときに使われるのがコンバージョンファクターです。

コンバージョンファクターは、受渡適格銘柄のクーポン、残存期間などから算出されます。

その結果、受渡適格銘柄ごとに異なった変換係数が存在し、残存期間の関係上、毎日変化します。

OTDモデル

OTDモデル (originate-to-distribute model)とは、信用リスクの移転スキームの1つで、売却を前提にローンを組成することです。

なお、単語の意味は次の通りです。

売却: ディストリビュート distribute

組成: オリジネート originate

例として、住宅ローンを証券化してCDOを組成することも、OTDモデルに基づいています。

OTDモデルは、証券化による資金調達の多様化に重要な役割を果たしています。

一方で、問題点もあります。

住宅ローンは、本来であれば、貸し手側は、借り手側の信用リスクを厳しく吟味して貸出しを行います。

なぜなら、住宅ローンの収入源は、借り手側の利払い金だらかです。

しかし、OTDモデルでは、証券化商品の組成、売却による手数料収入が収入源になるため、信用リスクの査定が甘くなる傾向があります。

実際に、バーナンキ元FRB議長は、OTDモデルがサブプライム問題の一因になったと指摘しています。

また、OTDモデルでは、最初のローンの貸し手と証券化商品購入者との間に、プリンシパル・エージェント問題が生じているという指摘もあります。

グリーンシューオプション

グリーンシューオプション (green shoe option)とは、第三者割当増資の割当を受ける権利です。

主幹事証券会社は、オーバーアロットメントを行った場合、借入れた株券を返済するために、市場から当該株券を買い戻す場合があります。

これをシンジケートカバー取引と呼びます。

一方で、株価の動向によっては、主幹事証券会社がシンジケートカバー取引で損失被る場合があります。

主幹事証券会社は、このリスクを回避するために、あらかじめ発行企業や株式保有者から、当該株式などを取得する権利の付与を受けておくことがあります。

この権利のことをグリーンシューオプションと呼びます。

オーバーアロットメント

オーバーアロットメント (over allotment)とは、株式のIPO、POなどで、当初予定数量を超える需要があった場合、主幹事証券会社は、発行会社の大株主などから一時的に株券を借り、同一条件で追加的に投資家に販売することです。

オーバーアロットメントは、需給動向に応じた販売を行うという目的で導入されました。

主幹事証券会社は、オーバーアロットメント分を、将来、返却しなければなりません。

オーバーアロットメントによる売出しが行われる場合、発行会社は主幹事証券会社に対して、オーバーアロットメントによる売出しに係る株式数を上限に、第三者割当増資の割当を受ける権利を付与します。

この権利をグリーンシューオプションと呼びます。

主幹事証券会社は、借入株式の返還を目的に、上限株式数の範囲内で普通株式を市場買付けする場合があります。

この市場買付けのことを、シンジケートカバー取引と呼びます。

主幹事証券会社は、上限株式数からシンジケートカバー取引で取得した株式数を控除した株式数についてのみ、グリーンシューオプションを行使して、第三者割当増資に応じすることになります。

 

グリーンシューオプション とは

アンダーパー

アンダーパー (under par)とは、額面を基準とした債券価格の状態のことで、額面よりも債券価格が低い状態のことを言います。

アンダーパーの状態の債券を購入すれば、最終利回りは表面利率を上回ります。

アンダーパーの債券を購入して、満期まで保有すると、債券購入価格と額面の差額の分だけ利益が発生します。

この利益のことを償還差益と呼びます。

債券を発行する際に、額面価格よりも低い価格で発行することをアンダーパー発行、あるいは、割引発行 ( 英語でdiscount issue ) と呼びます。

なお、額面よりも債券価格が高い状態のことをオーバーパーと言い、額面と債券価格が等しい状態のことをパーと言います。