金融・投資・証券分析用語辞典

オーバーパー

オーバーパー (over par)とは、額面を基準とした債券価格の状態を表したもので、額面鳥も債券価格が高い状態のことを言います。

オーバーパーの状態の債券を購入すれば、最終利回りは表面利率を下回ります。

オーバーパーの債券を購入して、満期まで保有すると、債券購入価格と額面の差額の分だけ損失が発生します。

この損失のことを償還差損と呼びます。

債券を発行する際に、額面価格よりも高い価格で発行することをオーバーパー発行、あるいは、割増発行 ( 英語でpremium issue ) と呼びます。

なお、額面よりも債券価格が低い状態のことをアンダーパーと言い、額面と債券価格が等しい状態のことをパーと言います。

オフショア市場

オフショア市場 (off-shore market)とは、国境を越えて行われる資金取引に対して、規制や課税方式などを国内市場と切り離し、比較的自由な取引を認めた国際金融市場のことをいいます。

オフショア市場は、主に、非居住者向けの国際金融市場です。

日本の例

日本では、1986年12月に「東京オフショア市場」が創設されました。

源泉所得税が課されないのが一般的です。

日本の金融機関が、本邦オフショア市場で取引を行う場合、

まず、財務大臣の承認を得て「特別国際金融取引勘定」を開設します。

そして、通常の国内資金取引とは区別して行います。

具体的には、海外から調達した資金を海外へ貸し付ける「外 – 外取引」を原則とし、

取引の相手方は非居住者、および特別国際金融取引勘定を持つ国内の金融機関に限られています。

オプション

オプション (option)とは、対象となる資産や指数値の変動に対して、その価格や支払額(=ペイオフ)が、非線形となるものの総称です。

具体的には、原資産もしくは対象資産を、満期までの間に予め定められた価格で、買う権利もしくは売る権利の取引です。

予め定められた価格を、行使価格もしくはストライク価格と呼びます。

買う権利を、コール・オプションと呼びます。

売る権利を、プット・オプションと呼びます。

コール・オプションや、プット・オプションにおいて、

満期までの間いつでも行使できるタイプのオプションを、アメリカン・タイプ・オプションと呼びます。

満期日のみに行使できるタイプのオプションを、ヨーロピアン・タイプ・オプションと呼びます。

オプションの買い手は、自分に有利になる場合には権利行使し、自分に不利になる場合は権利を破棄します。

コール・オプション

コール・オプションとは、原資産を購入する権利です。

満期日におけるコール・オプションのペイオフ

満期日に、原資産の市場価格が行使価格より高かった場合

コール・オプションを行使して原資産を行使価格で購入し、直ちに市場で売却することによって、利益をえることができます。

つまり、原資産の市場価格 > 行使価格 の場合

コール・オプションのペイオフ = 原資産価格 - 行使価格

になります。

満期日に、原資産の市場価格が行使価格より低かった場合

コール・オプションを行使しても損失を被るだけなので、権利を破棄します。

つまり、満期日に、原資産の市場価格 < 行使価格 の場合、

コール・オプションのペイオフ = 0

になります。

プット・オプション

プット・オプションとは、原資産を売る権利です。

満期日におけるプット・オプションのペイオフ

満期日に、原資産の市場価格が行使価格より高かった場合

プット・オプションを行使しても損失を被るだけなので、権利を破棄します。

つまり、満期日に、原資産の市場価格 > 行使価格 の場合、

プット・オプションのペイオフ = 0

になります。

満期日に、原資産の市場価格が行使価格より低かった場合

プット・オプションを行使して原資産を行使価格で売却し、直ちに市場で買い戻すことによって、利益をえることができます。

つまり、原資産の市場価格 < 行使価格 の場合

プット・オプションのペイオフ = 行使価格 - 原資産価格

になります。

オプション戦略

オプション戦略 (option strategy)とは、複数のオプションや、オプションとその原資産や先物を組み合わせたポジションを構築して利益を狙う戦略です。

原資産と組み合わせる例

カバードコール

プロテクティブプット

オプション同士を組み合わせる例

ストラドル

ストラングル

レシオスプレッド

プルスプレッド

ベアスプレッド

ボックススプレッド

用途

これらは、原資産価格やオプションのインプライドボラティリティの将来の変動方向についての予想に沿った投資や、裁定取引などの目的のために用いられます。

このため、投資目的などに合致したオプション戦略を選択することが重要となります。

オプション評価モデル

オプション評価モデル (option pricing model)とは、原資産価格からオプション価格を理論的に算出する金融工学の計算モデルのことです。

具体的にいうと

金融工学では、オプション価格は、原資産の価格、および、いくつかの変数に依存されると考えられます。

そのオプション価格を理論的に計算するための計算モデルをオプション評価モデルと呼びます。

オプション評価モデルは多数存在します。

一方、多くのモデルは、原資産とオプションを使った裁定取引によって得られる利益は機会は無い、という条件にもとづいています。

この条件を、無裁定条件と呼びます。

オプション評価モデルでは、無裁定条件にもとづき、オプションが合理的に価格形成されているものとして導かれています。

このように、合理的にオプション価格を説明しようとする理論を、オプション価格決定理論と呼びます。

オプション評価モデルで、一番有名かつ基礎となるモデルが、ブラック・ショールズ・モデルです。

オフバランスシート

オフバランスシート (off balance sheet)とは、資産や負債になり得る項目が、貸借対照表に記載されていないこと、またはそのような状態にすることをいいます。

資産や負債になり得る項目が、貸借対照表に記載されていない、あるいは記載しない目的は、収益性などを良く見せるためです。

なぜなら、資産や負債になり得る項目が、貸借対照表に記載されていない、あるいは記載しないことによって、その分だけ貸借対照表の資産負債の金額を小さくできるからです。

また、資産負債の認識要件を満たさないように、あらかじめ取引を構築することもあります。

オフバランスシートの例として、

  • オペレーティングリースに該当するリース取引
  • 金融資産の譲渡時の売却処理
  • 連結の範囲外となる特別目的会社への投資

などが挙げられます。

クローズエンド型投資信託

クローズエンド型投資信託 (closed-end investment trust)とは、一般的に、株式会社の形態を取り、投資家が途中解約ができない、あるいは制限があるタイプの投資信託のことです。

ユニット型投資信託とも呼ばれています。

メリットとデメリット

投資家のメリットは、株式を取得して株主となり、運用益を配当として受け取るとともに、株式の上昇益も期待できます。

投資家のデメリットは、途中解約ができない、あるいは制限があるため、投資資金を回収したい場合、株式を売却する必要があることです。

投資信託会社のメリットは、資金の流出リスクがないことによる、安定運用が可能という点です。

一方で、資金の途中追加可能かつ途中解約可能な投資信託を、オープンエンド型投資信託といいます。

オープンエンド型投資信託

オープンエンド型投資信託 (open-end investment trust)とは、

  • 資金の途中追加可能
  • 途中解約可能

が認められた証券投資信託のことです。

顧客の意向によって、金額・時点ともに、追加設定と解約が自由にできることから、オープンエンド型投資信託と呼ばれています。

追加型投資信託とも呼ばれることがあります。

一方で、当初設定後、償還まで資金追加、途中解約ができない投資信託を、クローズドエンド型投資信託といいます。

オリジネーター

オリジネーター (originator)とは、証券化、あるいは債権流動化スキームにおいて、原資産、債権を保有する人、あるいは企業のことを言います。

オリジネーターは、原資産、原債権に対して、関連性を維持しつつ、債権を譲渡します。

関連性を維持しつつ譲渡することで、原資産、原債権が生み出すキャッシュフローを受け取ります。

なお、ここでいう「譲渡する」を、「オフバランスする」というときもあります。

クリーンサープラス関係

クリーンサープラス関係 (clean surplus relation)とは、配当支払いや増資などによる資本取引を調整した期中の株主資本の変動が当期純利益の金額に等しいという関係です。

資本取引を配当支払いのみと仮定したとき、計算式は次の通りです。

期末株主資本 = 期首株主資本 + 当期純利益 - 配当

クリーンサープラス関係の使用場面

クリーンサープラス関係が使用される場面は、

  • 株式の理論価格を計算するとき
  • 企業価値を評価するとき
  • 事業計画を作成するとき

が挙げられます。

クリーンサープラス関係は、株主評価の残余利益モデルの前提です。

また、企業価値評価や事業計画の作成などで、予測財務モデルを作成する際、損益計算書と貸借対照表が整合的であるかをチェックするときに使われます。

またクリーンサープラス関係が成立する会計を、クリーンサープラス会計と呼びます。