【ROAから始める企業研究】SCSKと日鉄ソリューションズ【比較してみた】

企業研究-サムネイル-SCSK-NSSOL

本エントリでは、SCSKと日鉄ソリューションズ(以下: NSSOL)を比較する。

両社の比較を通じて、どちらの企業が財務データ的に良い状態であるかを明らかにする。

具体的には、以下の指標を比較する。

  1. ROAの比較
  2. 収益性指標の比較
  3. 資産効率性指標の比較
  4. 安全性指標の比較
  5. キャッシュ・フローの比較

【ROAから始める企業研究】SCSKとNSSOL【比較】

企業研究-サムネイル-SCSK-NSSOL

指標を比較する前に、SCSKとNSSOLの企業規模を確認する。

企業研究-売上高-SCSK-NSSOL

SCSKの2019年3月期売上高は358,654,000,000円。

NSSOLの2019年3月期売上高は265,278,000,000円。

企業研究-売上総利益-SCSK-NSSOL

SCSKの2019年3月期売上総利益は88,742,000,000円。

NSSOLの2019年3月期売上総利益は52,586,000,000円。

企業研究-営業利益-SCSK-NSSOL

SCSKの2019年3月期営業利益は38,378,000,000円。

NSSOLの2019年3月期営業利益は25,676,000,000円。

企業研究-事業利益-SCSK-NSSOL

SCSKの2019年3月期事業利益は39,439,000,000円。
NSSOLの2019年3月期事業利益は26,317,000,000円。

【ROAの比較】SCSKの方が良い数値

まずはSCSKとNSSOLのROAを見ていく。

ROA=事業利益÷総資本=売上高事業利益率×総資本回転率

事業利益=営業利益+営業外収益

ROA

企業研究-ROA-SCSK-NSSOL

SCSKの2019年3月期ROAは12.53%。

NSSOLの2019年3月期ROAは11.15%。

ROAは、SCSKの方が高い。

2018年3月期から逆転している。

では、ROAの内訳から、逆転した要因をみてみよう。

売上高事業利益率

企業研究-売上高事業利益率-SCSK-NSSOL

SCSKの2019年3月期売上高事業利益率は11.00%。

NSSOLの2019年3月期売上高事業利益率は9.92%。

売上高事業利益率は、SCSKの方が高い。

総資本回転率

企業研究-総資本回転率-SCSK-NSSOL

SCSKの2019年3月期総資本回転率は113.91%。

NSSOLの2019年3月期総資本回転率は112.37%。

総資本回転率は、SCSKの方が高い。

SCSKの総資本回転率は、2018年3月期に大きく改善している。

これによりSCSKのROAも改善された。

【収益性指標の比較】SCSKの方が良い。

ここでは、SCSKとNSSOLの収益を比較する。

具体的には、売上総利益、売上高営業利益率、売上高事業利益率を比較する。

売上総利益率

企業研究-売上総利益率-SCSK-NSSOL

SCSKの2019年3月期売上総利益率は24.74%。

NSSOLの2019年3月期売上総利益率は19.82%。

売上総利益率はSCSKの方が高い。

売上高営業利益率

企業研究-売上高営業利益率-SCSK-NSSOL

SCSKの2019年3月期売上高営業利益率は10.70%。

NSSOLの2019年3月期売上高営業利益率は9.68%。

売上高営業利益率も、SCSKの方が高い。

売上高事業利益率

企業研究-売上高事業利益率-SCSK-NSSOL

SCSKの2019年3月期売上高事業利益率は11.00%。

NSSOLの2019年3月期売上高事業利益率は9.92%。

先述で見た通り、売上高事業利益率は、SCSKが高い。

収益性指標は、すべてSCSKが高い。

企業としての稼ぐ力はSCSKが強い。

【資産効率性指標の比較】両社同水準。資金運用効率はNSSOLの方が良い。

ここでは、SCSKとNSSOLの資産効率性指標を比較する。

総資本回転率

企業研究-総資本回転率-SCSK-NSSOL

SCSKの2019年3月期総資本回転率は113.91%。

NSSOLの2019年3月期総資本回転率は112.37%。

先述で見た通り、総資本回転率は、SCSKの方が高い。

SCSKの総資本回転率は2018年3月期に大きく改善した。

固定資産回転率

企業研究-固定資産回転率-SCSK-NSSOL

SCSKの2019年3月期固定資産回転率は315.06%。

NSSOLの2019年3月期固定資産回転率は325.66%。

固定資産回転率は、NSSOLの方が高い。

この指標は、SCSKとNSSOLで同水準だ。

売上債権回転期間と買入債務回転期間

企業研究-売上債権買入債務回転期間-SCSK

SCSKの2019年3月期売上債権回転期間は約76日。

SCSKの2019年3月期買入債務回転期間は約45日。

SCSKは代金の受け取りと、支払いに約21日間の差がある。

SCSKはこの21日間のための運転資金を有していなければならない。

企業研究-売上債権買入債務回転期間-NSSOL

NSSOLの2019年3月期売上債権回転期間(単位: 日)は約78日。

NSSOLの2019年3月期買入債務回転期間(単位: 日)は約72日。

NSSOLは、代金の受け取りと支払いの差が約6日間。

SCSKよりNSSOLの方が資金運用効率を高くできる構造を有している。

手元流動性比率

企業研究-手元流動性比率-SCSK-NSSOL

SCSKの2019年3月期手元流動性比率は約0.71倍。

NSSOLの2019年3月期手元流動性比率は約0.15倍。

SCSKは月商*0.71の現預金等を手元に残している。

一方、NSSOLは月商*0.15の現預金等を手元に残している。

資金運用効率の面ではNSSOLの方が効率が良い。

【安全性指標の比較】SCSKの方が良い。

ここでは、SCSKとNSSOLの安全性指標を比較する。

インタレスト・カバレッジ・レシオ

企業研究-インタレスト・カバレッジ・レシオ-SCSK-NSSOL

SCSKの2019年3月期インタレスト・カバレッジ・レシオは約343倍。

NSSOLの2019年3月期インタレスト・カバレッジ・レシオは約2924倍。

インタレスト・カバレッジ・レシオは、NSSOLの方がよい数値だが、数値的には両社とも安全水準だ。

自己資本比率

企業研究-自己資本比率-SCSK-NSSOL

SCSKの2019年3月期自己資本比率は62.15%。

NSSOLの2019年3月期自己資本比率は50.10%。

自己資本比率は、SCSKの方が良い数値だが、数値的には両社とも安全水準だ。

固定長期適合率

企業研究-固定長期適合率-SCSK-NSSOL

SCSKの2019年3月期固定長期適合率は46.74%。

NSSOLの2019年3月期固定長期適合率は59.66%。

固定長期適合率は、SCSKの方が良い数値だが、数値的には両社とも安全水準だ。

流動比率

企業研究-流動比率-SCSK-NSSOL

SCSKの2019年3月期流動比率は277.16%。

NSSOLの2019年3月期流動比率は219.73%。

固定長期適合率は、SCSKの方が良い数値だが、数値的には両社とも安全水準だ。

当座比率

企業研究-当座比率-SCSK-NSSOL

SCSKの2019年3月期当座比率は132.19%。

NSSOLの2019年3月期当座比率は85.39%。

当座比率は、SCSKの方が良い数値だ。

NSSOLの当座比率は望ましいとされる理論値を下回っている。

NSSOLの当座比率が理論値を下回っている理由は、先述の売上債権回転期間と買入債務回転期間が要因と考えられる。

NSSOLは代金の受け取りと支払いの時差が非常に小さい。

したがって、手元に現預金等を置いておくより、他に利用したほうが良いという経営判断と考えられる。

一方で、企業の安全性の側面から考えると、NSSOLは突発的な支払い力が弱いと考えることもできる。

【キャッシュ・フローの比較】両社とも良い状態。SCSKの方が将来的に明るい。

ここでは、SCSKとNSSOLのキャッシュ・フローの状態を比較する。

SCSKのキャッシュ・フロー

企業研究-キャッシュフロー-SCSK

SCSKの2019年3月期営業活動によるキャッシュ・フローは33,511,000,000円。

投資活動によるキャッシュ・フローは-7,163,000,000円。

財務活動によるキャッシュ・フローは-19,995,000,000円。

フリー・キャッシュ・フローは26,348,000,000円。

総じて素晴らしいCFの状態だ。

営業活動でしっかりキャッシュを稼ぎ、投資活動、財務活動にキャッシュを回せている。

企業経営が良好に循環している。

NSSOLのキャッシュ・フロー

企業研究-キャッシュフロー-NSSOL

NSSOLの2019年3月期営業活動によるキャッシュ・フローは19,690,000,000円。

投資活動によるキャッシュ・フローは-1,624,000,000円。

財務活動によるキャッシュ・フローは-16,255,000,000円。

フリー・キャッシュ・フローは18,066,000,000円。

NSSOLのCFも非常に良い状態だ。

営業活動でキャッシュを稼ぎ、投資や財務活動に充てている。

ただ、営業活動によるキャッシュ・フローに対して、財務活動によるキャッシュフローの割合が大きいと見ることもできる。

つまり、良い投資先が見つからないため、キャッシュを投資家に還元している。

将来的には現状維持、あるいはやや下降気味になる可能性が高い。

【まとめ】

本エントリでは、SCSKとNSSOLを比較した。

両社を比較した結果、SCSKの方が財務データ的に良い状態である。

また、将来的により成長が見込めそうなのはSCSKだと考えられる。

まずSCSKの方が企業規模が大きい。

かつ収益性、安全性もSCSKの方が良い。

資産効率性については両社同水準だが、総資本回転率はSCSKがNSSOLを上回っている。

最大の決め手は、キャッシュ・フローだ。

両社ともCFの状態は良好だ。

しかし、NSSOLのキャッシュ・フローの推移からは、将来への投資より、投資家への還元に力を入れているとみられる。

一方、SCSKは2018年3月期に大きな投資を行っている。

つまり、SCSKは成長できる領域を認識し、そこに資金を投じている。

したがって、将来的により成長が見込めそうなのはSCSKだと考えられる。

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