コンバージョンファクター (conversion factor)とは、債券先物取引において、売り方が決済時に現渡しを選択した場合に、受渡す現物債の数量を算出するための係数です。
日本語で、交換比率と呼びます。
先物取引で売り建てた場合、決済方法として、
- 反対売買: 売り建てた数量を買戻して決済する方法
- 現渡し: 売り建てた数量に該当する現物を差し入れて決済する方法
の2つがあります。
債券先物取引で取引されるのは、長期国債先物ではクーポン6%、残存期間10年の架空の債券です。
したがって、現渡しでの決済をする場合、同じ条件の現物債を現渡しできる可能性は非常に低いです。
そのため現渡しをする場合、売り建てた債券先物の決済時の価値と現渡しする現物債の価値を同等にする作業が必要になります。
この作業のときに使われるのがコンバージョンファクターです。
コンバージョンファクターは、受渡適格銘柄のクーポン、残存期間などから算出されます。
その結果、受渡適格銘柄ごとに異なった変換係数が存在し、残存期間の関係上、毎日変化します。