運用報酬 (management fee)とは、投資家から預かった資産を運用会社が運用することへの対価です。
日本語だと、運用手数料と呼ばれます。
運用会社は、専門家として委託を受けてファンド運用を行います。
運用報酬は、基本的には運用会社の専門性、ノウハウを駆使して運用が行われることに対して支払われるものです。
運用報酬には、情報インフラの活用や投資家向け運用報告書などの実務に係るコストも含まれていると考えられます。
運用報酬の決定方式は以下の2通りです。
- 定率型: 委託した運用資産残高に対して一定比率で支払われる方式
- 成功報酬型: 運用成果に連動して支払われる方式
また、成功報酬型の運用報酬の場合は、通常は低く設定された基準報酬と、
運用実績に応じて変動する成功報酬の2つから構成されています。
成功報酬型では、あらかじめ約束された基準に従い、運用実績が基準より良ければさらに報酬が上乗せされます。
しかし、基準を下回った場合には、低く設定された基準報酬のみとなります。
この報酬体系は、運用を委託する側からも委託された側からも、合理的な報酬体系と考えられます。
一方で、運用実績が基準を下回った状況では、運用者がリスクを過剰にとり、成功報酬の獲得を狙うなどのモラルハザードの発生も考えられます。
代表的な成功報酬型の体系として、ハイ・ウォーター・マーク方式があります。