OTDモデル (originate-to-distribute model)とは、信用リスクの移転スキームの1つで、売却を前提にローンを組成することです。
なお、単語の意味は次の通りです。
売却: ディストリビュート distribute
組成: オリジネート originate
例として、住宅ローンを証券化してCDOを組成することも、OTDモデルに基づいています。
OTDモデルは、証券化による資金調達の多様化に重要な役割を果たしています。
一方で、問題点もあります。
住宅ローンは、本来であれば、貸し手側は、借り手側の信用リスクを厳しく吟味して貸出しを行います。
なぜなら、住宅ローンの収入源は、借り手側の利払い金だらかです。
しかし、OTDモデルでは、証券化商品の組成、売却による手数料収入が収入源になるため、信用リスクの査定が甘くなる傾向があります。
実際に、バーナンキ元FRB議長は、OTDモデルがサブプライム問題の一因になったと指摘しています。
また、OTDモデルでは、最初のローンの貸し手と証券化商品購入者との間に、プリンシパル・エージェント問題が生じているという指摘もあります。