
企業研究は、会社の会議、転職活動、学校のレポート課題などさまざまな場面で必要になる。
なぜ企業研究が必要なのだろうか。その理由を考える。
なぜ企業研究を行うのか
ここでは企業研究が必要な理由を考える。
具体的には、だれが、何を目的に、どのようなデータで企業研究を行うのかを明らかにする。
だれが、何を目的に企業研究を行うのか
冒頭でも述べた通り企業研究には様々な内容がある。
その理由は、企業分析の目的が様々だからだ。
企業研究の目的はそれを行う人の立場、状況によって変わる。
例えば、大学生が企業分析をする場合、その目的は卒論の事例研究の一環であり、企業活動から何か新しい事象を見つけたいからかもしれない。
この場合注目するべき点は企業の事業内容や具体的な活動事例だ。
一方、営業担当の従業員が企業分析をする場合、その目的は営業先企業の状況を把握し営業作戦を立てるというものかもしれない。
この場合注目すべき点は売上高や営業利益、資産負債などの財務データだ。
このように企業分析の目的が異なると、注目するポイントも異なり、分析を通じて得られるアウトプットも当然異なるものになる。
下の表では、だれが何の目的で企業分析をするのかをまとめた。
だれ | 状況 | 目的 |
学生 | 就職活動 | 企業の採用担当者に対して、自分を採用する理由を提示し、実際に採用される |
学生 | 卒業論文執筆 | 企業活動から新しい事象を見つけ、卒業論文としてまとめる |
経営者 | 株主・投資家への業績報告 | 株主・投資家に対して、企業価値が高まった実績と将来企業価値が高まることを説明し納得してもらう |
株主 投資家 |
投資先の選定 | 将来その企業の企業価値は高まるのかを判断し投資するか否かを決定する |
アナリスト | 各ステークホルダーへの情報提供 | 各ステークホルダーへの第三者的視点からの客観的情報の提供 |
研究者 | 研究論文執筆 | 企業活動の事象から新しい何かを見つけ論文としてまとめる |
どのようなデータで企業研究を行うのか
まず一番簡単に手に入るのは企業ホームページのIR情報だ。
企業ホームページは企業名で検索すれば表示されます。
次に有効なのは出版されている書籍だ。
オススメは業界地図シリーズや四季報だ。
最後に使えるデータとして、その企業に関する書籍です。
例えば、創業者の自伝や元従業員が書いたハウツー本だ。
書籍はAmazonで企業名を検索すれば該当するものが多数表示される。
データを扱うときの注意点
データには質的データと量的データがある。
質的データと量的データの違いを簡単に説明すると以下のようになる。
- 質的データ: 良い、悪いなど人の感覚で示される
- 量的データ: 10kg、20cm、5,000円など数字で示される
決算資料のテキストの部分や書籍に書かれてある内容が質的データに該当する。
売上高の金額、当期純利益の金額、商品価格が量的データに該当する。
注意が必要なのは、量的データに非常によく似た質的データだ。
量的データと勘違いしてしまう質的データとして、5段階評価で取得したデータがある。
「とても良いなら5、良いなら4、どちらでもないなら3、悪いなら2、とても悪いなら1」といったものだ。
扱うデータが質的データか量的データかの判断が重要になる。
まとめ
自分はどんな目的で企業研究をするのか。企業研究のアウトプットは何に使うのか。
この2点を先に決めることで企業研究で捗るだろう。
このサイト、Adapt to changeでは、企業分析のハードルを下げるという目的で企業分析レポートを書いている。
ぜひとも見てほしい。